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大腸ポリープは日帰り切除が可能
大腸カメラ検査の途中でポリープを発見した場合は、その場で切除できます。日帰りで切除が可能なので、患者さんの負担が大幅に軽減されます。ポリープ切除は、内視鏡の先端のスネアをポリープにひっかけて締め付けて切除していきます。ポリープの形状によって、スネアに高周波電流を流しながら切除したり、生理食塩水を注入してポリープを持ち上げながら切除したりと、切除方法を選択します。ポリープの大きさや数・形状によって検査中に切除できないことがありますが、その場合は入院加療が必要なため、連携する専門の医療機関をご紹介しています。
大腸ポリープのがん化リスク
大腸ポリープは、便潜血検査ではほとんど発見することができません。自覚症状がないため、確実に発見できるのは大腸カメラ検査だけです。大腸がんのほとんどが、大腸ポリープが放置されてがん化したものです。大腸ポリープは良性ですが、放置すると肥大化し、ポリープの大きさが20㎜以上になった場合、50%以上の確率でがん化するとされています。
したがって、大腸カメラ検査でポリープを発見した際は切除して、将来の大腸がんを予防していきます。
大腸ポリープができやすい原因
食生活
大腸がんの発症と食生活は非常に関与が強く、特に高カロリー食・加工肉・赤身の肉などはリスクが高いとされています。野菜などの食物繊維を多く含んだ食品が大腸がん発症リスクを下げるものとして挙げられます。
遺伝
遺伝性大腸がんとして、遺伝的に大腸ポリープや大腸がんになりやすいケースがあります。血縁者の中に大腸ポリープや大腸がんの罹患者がいる場合は、たとえ自覚症状がなくても早めに大腸カメラ検査を受けてください。
大腸ポリープの切除方法
内視鏡的ポリペクトミー
内視鏡の先にあるスネアでポリープを切除する方法です。高周波電流で焼き切るポリペクトミーと、電流を流さないコールドポリペクトミーとがあります。5~10mmの小さいポリープ切除時に採用されます。また、4mm以下のポリープ切除には、内視鏡先端の鉗子によって切除する場合もあります。 高周波電流を流すポリペクトミーは、切除時の出血はほとんどありませんが、稀に深い層にまで火傷が及ぶことがあり、時間の経過によって出血や穿孔のような合併症のリスクがあります。 一方、電流を流さないコールドポリペクトミーは、上記のような合併症リスクがなく、心臓ペースメーカーを使用中の方や血液サラサラにする抗血栓薬を内服されている方にも切除可能な方法です。
ポリペクトミーイメージ
コールドポリペクトミーイメージ
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
スネアをかけられない平坦なポリープなどの場合に用いられる切除術です。内視鏡スコープの先端から注射針を出して、ポリープ粘膜に生理食塩水を注入して、持ち上がったポリープにスネアをかけて高周波電流で切除します。
大腸ポリープは必ず切除しないといけないの?
良性腫瘍とされる大腸ポリープの中で腺腫と呼ばれる腫瘍性ポリープは、そのまま放置していると大腸がんに進行する可能性があります。定期的に大腸カメラ検査を受けることで、腺腫の間に切除が可能です。腺腫を除去した状態を維持することで、大腸がんのほとんどを予防することができます。特に、これまでに大腸ポリープを切除したことがある方は、大腸ポリープができやすいと考えられるので定期的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めしています。
大腸ポリープ切除後の食事や注意点
大腸カメラ検査前の注意
大腸ポリープをまずは正確に発見することが必要です。5㎜よりも小さいものもあるため腸管内がきれいでないと発見が困難になります。そのため、検査前には便秘を解消し、前日にはなるべく検査食を食べていただくことが重要です。
大腸ポリープ切除後の注意
出血や穴が開く遅発性穿孔を起こす可能性もあるため、頻回の下血や継続する腹痛がある時には、当院にご連絡を頂くなど、速やかに医療機関を受診してください。
水分・食事
下痢で脱水になっているため、十分な水分をとるようにしてください。また、切除後は、脂っぽい食事や刺激物など、胃腸に負担をかける食事は控えてください。消化の良いおかゆやうどんなどを召し上がってください。
アルコール
切除後は、アルコールを控えてください。
入浴
切除日からシャワーは可能です。入浴は翌日からにしてください。
運動
翌日まで激しい運動は控えてください。
腹圧がかかる動作
強くいきんだり、重い荷物を持つことで腹圧が強くかかってしまいます。切除後は便秘にならないようにしましょう。
服薬と休薬
抗血栓薬・抗血小板薬の服用をしている方は、ポリープ切除後に医師の指示に従ってください。
文責
横浜わたなべ内科・内視鏡クリニック 根岸院
院長 渡辺 一輝