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腹痛はどうして起こるの?
腹痛は、主に腹部の痛みを主訴とする症状を指します。腹痛には、特に消化器系の苦痛を訴える方が多いですが、お腹には多くの臓器があるため、それぞれの原因によって痛みも異なります。腹痛には、以下の種類があります。
急性腹痛
急激に生じる激しい腹痛で、緊急手術を要する可能性が高い腹痛
慢性腹痛
腹痛が3カ月以上続いている状態で、特に5歳以降の小児に多く見られます
反復性腹痛
腹痛が常にある場合と、痛みが現れたり治まったりを繰り返す腹痛
また、腹痛の痛みの種類も大きく3つに分けられます。
内臓痛
消化管の痙攣・収縮・伸展・拡張が原因で生じる痛み。自律神経を介して感じる腹痛です。周期的になんとなくお腹全体が痛いのが特徴です。
体性痛
腹膜や腸間膜・横隔膜など内臓を取りまいて分布する知覚神経が刺激されて生じる腹痛です。鋭い痛みが30分以上にわたって続くのが特徴です。例えば、盲腸の痛みなどが体性痛です。
関連痛
お腹の表面が痛むと表現される場合が多く、脊髄神経への刺激によって、その神経が支配する部位に表在性の疼痛が生じます。
以上の痛みのほかに、機能性疼痛があります。慢性腹痛や反復性腹痛にも見られる疼痛で、痛みが生じて6カ月経過しても明確な疾患が見つからない場合、身体機能や薬物などの因果関係がなくても生じる痛みを指します。
腹痛を起こす原因
腹痛に隠れている疾患の例は以下の通りです。
臍周囲痛
急性虫垂炎初期・腸閉塞・膵炎・大動脈破裂・尿膜管遺残症など
右下腹部痛
急性虫垂炎・憩室炎・大腸炎・炎症性腸疾患・尿路結石・卵管炎・卵巣捻転・卵巣出血・骨盤腹膜炎・鼠径部ヘルニアなど
臍下部痛
急性虫垂炎・憩室炎・大腸炎・尿路結石・卵巣捻転・卵巣出血・骨盤腹膜炎など
腹部全体の痛み
汎発性腹膜炎・腸閉塞・大動脈瘤破裂・大動脈解離・糖尿病性ケトアシドーシス・IgA血管炎・中毒(鉛・ヒ素)など
※そのほかには、食中毒などの細菌感染による腹痛・じんましんや帯状疱疹・皮膚に由来する痛みなどがあります。
また、医学的な異常が見られないのに腹痛を起こす疾患としては、機能性ディスペプシア・過敏性腸症候群などが挙げられます。一般的に、緊張してお腹が痛くなるとき、精神的要因で腹痛が一時的に起こり、その原因が解消されると腹痛も治まる場合は、過敏性腸症候群に当てはまります。そのほか、疾患とは関係のない腹痛では、生理痛・妊娠中の腹痛・陣痛などが挙げられます。
腹痛の対処法
腹痛の原因は幅広く、多種多様です。原因が特定できることで適切な対処や治療が可能になるため、腹痛でお悩みの方はお早めに当院までご相談ください。また、医師に腹痛の正確な情報をしっかりと伝えることが大切です。腹痛の種類や程度、痛み方、時間などを分かりやすく伝えてください。もし、身近にいる人が急激な腹痛を訴えた場合は、ベルトなど腹部を締め付けるものを緩めて、楽な姿勢で寝かせて速やかに医療機関を受診してください。以下の症状の場合は、緊急性が非常に高いので注意が必要です。
- 激しい腹痛を訴えている
- 顔面が蒼白して、額に冷や汗を浮かべる
- 脈拍が弱くなる、または速くなる
- 意識障害を起こす
以上の症状がある場合は、緊急性が非常に高いため、お早めにご相談ください。
文責
横浜わたなべ内科・内視鏡クリニック 根岸院
院長 渡辺 一輝